ジモトからの手紙三重県尾鷲市

ジモト紹介【三重県尾鷲市】地域の困りごとが、最大の地域資源

トップ旅するジモトのプロジェクトジモト紹介【三重県尾鷲市】地域の困りごとが、最大の地域資源

2023.02.24

#旅するジモトへようこそ!
ジモトからの手紙、まずは参加しているジモトと、その地域のコーディネーターを、事務局からご紹介します。三重県尾鷲市の事務局、コーディネーターは、一般社団法人つちからみのれ ファウンダーの伊東将志さん。

さまざまな経験を通し見えてきたもの

高校卒業後、「地元に残るという選択をしたときから、まちのために何ができるかを考えてきた」という伊東将志さん。伊東さんは、全国初の商工会議所型大学生の長期実践型のインターンシップを立ち上げた仕掛け人。地域おこし協力隊の中間支援事業などにも取り組み、人とまちをつなぐプロジェクトの設計からマッチングまで、さまざまな経験を積んできました。そして2021年10月、「このまちの将来にもっと深く関わりたい」と『つちからみのれ』を立ち上げ、地域の課題解決に真正面から取り組む新たな人生をスタートしました。

問題のあるところにしかチャレンジの機会はない

「まちのコーディネートって大変でしょ」とよく聞かれるという伊東さん。「キリはありませんが、実は大変なことはないんです。私は、地域にある困りごと、解決しなければならない大きな課題を抱えていることが、最大の地域資源だと思っています。問題のあるところにしかチャレンジの機会はないからですね」と笑います。例えば人口が減少している地域であれば、それによる人口の余白が生まれ、高齢化が進めば、その課題を何とかしたいという人が集まる要素となります。「困っていることがたくさんあり、それを何とかしたいとチャンレジしている人がいる。これが今の尾鷲の最大に魅力だと思っています」。

耕作放棄地に「3rdプレイス」誕生へ

今、尾鷲の抱えている課題。ひとつには、60年間このまちを支えてきた火力発電所がなくなったことが挙げられます。そしてもうひとつが、少子高齢化。高齢化率は45%、毎年400人の人口減少が続く尾鷲の現状にどう歯止めをかけるか。「観光や集客、関係人口をどう増やすかという視点からの取り組みだけでは、まちは変わらないということを実感している」と言い切ります。60年間、まちを支えて続けてきた産業がその灯を消したときー。見えてきたのが尾鷲の美しい山と海を望める自然でした。そこでまず、この地で手つかずとなっていた耕作放棄地を後世に引き継ぐための整備をスタート。そしてもうひとつの課題である子どもたちの問題を一緒に解決へと近づけるために、耕作放棄地に子どもたちの居場所づくりを始めることに。2023年3月には、学校でもなく、学童保育でもない「第3の居場所」としてオープンする予定です。ここを、「子どもだけでなく、地域のおじいちゃんやおばあちゃんも集えるコミュニティ―モデルとなる『3rdプレイス』として育てていきたい」という伊東さん。今後は、キャンプ場の開設などの夢も広がります。「この場所を好きな人が集い、この地を守っていくために何ができるかを一緒に考えていければ最高です」。

まちの未来に本気で取り組む姿を子どもたちに見せていく

今回のプロジェクトで、「これまでとは違ったチャネルをプラスし、自分ごととし捉えてくれる人たちと一緒に取り組むことで、さらに違う化学反応が起こせるのでは」と期待する伊東さん。「そしてここが、いろんな人のチャレンジの場になればと願っています」。以前、「このまちには本気の挑戦があり、これまでまったく関係なかった人にも本気で挑戦できるチャレンジの機会がある」と言ってくれた人がいたそう。「この姿を、尾鷲に住む子どもたちに見せていくことが、地域の未来につながると信じています」。

 

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